2016年5月8日日曜日

佐賀ブランドのミッシング・リンクを繋ぐ



初めての佐賀訪問では佐賀の可能性を全身で感じた。自分の感じたこの魅力とは何なのだろう。この可能性を活かすにはどうすればいいのだろう?自分なりに言葉にまとまってきたので書いておきたい。

いろいろと考えた挙句、近代的な町から少し動けば日本の原風景、そんな佐賀の魅力を引き出すのは何かというと、やはり「よそ者」ではないか、と思うに至っている。

美しい田園、山々、瓦屋根の家

外の人だからこそ新鮮に感じ取る地域の価値というものがある。そこに住んでいる地元びとであるがゆえに、かえって見えなくなる価値に光が当たる。

だからよそ者の目をうまく取り込んだ町は、非常にユニークで、なおかつ日本の伝統文化を活かした町に発展する。例えば「奇跡」と呼ばれる長野県の小布施がそうだと思う。



今回自分が訪れた佐賀の農村地域・山内には、面白いことにウーフを受け入れている有機農家さんがいたりして、この地にはよそ者を受け入れる下地があるように思われる。

外人さんも、日本に来てビル街見れたってしょうがない。でもお茶の国・佐賀でお茶煎り体験なんてできて、しかもそれを飲めたりしたら、すごい感動すると思う。日本人の俺ですら感動するのだから間違いない(笑)

自分で煎った日本茶、まさにプライスレス(・∀・)

また、佐賀山内は海こそ無いが温泉がいくつもあり、これまた旅する人には大きな魅力だ。これも外人さんとか特に喜ぶんじゃないかな。

だから、日本らしいからこそ国際的に価値を持つ。僕たちも西洋と同じですよー!ほらこんな近代的、みたいな卑屈な姿勢で外人は来ない。↓の記事も参考になるかもしれない。



■日本の原風景という最先端
今回自分が訪れた山内町では瓦職人さんのおうちに泊めてもらった。瓦の仕事が今もある、というところがむしろ最先端に感じる。

その仕事があって、この日本の原風景が保たれている。この原風景を大切にしたい地元の人がいるから、瓦の仕事も維持されている。

山内町には、美しい日本家屋や広がる農地と調和する素晴らしい神社もある。権現さんと呼ばれているらしい。これもまた、日本の原風景の中でこそその真価を魅せてくれる。

お社さんは日本の景観の中でこそ、その霊性を見せてくれる

この美しい文化を維持する、貴重な社会‐生態系を破壊してはならない。

コンビニもぽつぽつできてるけど、あれも日本ぽい瓦の建物にしてくれんかな。したら観光客もいっぱい来る。職人も儲かり、技術も維持され、そんでもってコンビニも儲かるはずなのよ。

逆に佐賀市で象徴的だったのは、中心部の佐賀城だ。本丸は復元されたらしいのだが、やはりそれはイミテーションだ。これから歴史を積み上げるしかないが、残しておけば既に何百年の歴史を体現してくれていた。

とはいえ佐賀城界隈は結構気持ちいい空間

市内の日本家屋が並ぶエリアはとてもオサレ♪古い家を活かしたカフェやお店は超オサレで、しかもWiFiスポットまである!しかしやはりその通りもちょっと歩けば尽きてしまう。

チョー美しい日本家屋街

大きな由緒ありそうな神社もあって、自分など何やら深い感覚を誘われるのだが、その背後から高層マンションが見下ろすのがかなりアレだ( ̄▽ ̄

うーーーむ。。

東大の安田講堂を思い出すなあ。。あれも後ろに高層ビル建てちゃってね。

景観学?の先生が言ってたけど、募集要項の表紙に載せるときにウーン、ってなったらしい(^_^;)やる前に気づけ最高学府よ(^_^;)

そんな感じで佐賀中心部は近代化にかなり飲み込まれて佐賀城もビル街と化している。

日本家屋の並ぶ通りは、補助金を出してでも周囲に日本家屋を継ぎ足して日本街区に発展させていくべきだと思う。復元された佐賀城本丸と近いので、そっちのほうと街並みを繋げるとすごいいい感じになるはず。

■佐賀の持つ真価とは
では近代化した町は何の価値もないのか?と言えばそんなこともない。確かに佐賀城の元の姿を残したままで、1階を店舗にしていったほうがずっと良かったとは思う。

しかしこの状況からそこまで持って行かなくても、佐賀には十分な魅力がある。

佐賀は

  • 福岡天神に1時間
  • 佐賀市中心部も十分開けていて、タウンWiFi もあちこちに飛ぶ

という町の楽しみと便利さを兼ね備え、かつすぐ近くに山内のような美しい農村も擁している場所だ。

タウンWiFiが飛び、うまいラーメン屋もある町の利便性、そこから少し離れるだけで日本の美しい原風景を保つ農村、山の手に行けば携帯も通じない電磁波フリー、この多様性こそが佐賀の価値だ。

それはある意味でご当地グルメ・シシリアンライスに現れている。多様な地元野菜、お米、そして山からのイノシシを、町のオサレなカフェでいただく。

日本の原風景と近代化の両方があってこそ成立するのがこのメニューだと思う。

佐賀ブランドを体現するシシリアンライス

そんな可能性がある場所なのに、正直はなわの歌以外であまり知られていないのは実にもったいない。

この魅力を何とかして経済的価値に変える必要がある。そうして守られるものがたくさんあるはず。開発で壊して金に替えてしまうにはあまりに惜しい。

■佐賀の価値を可視化し、金銭化する
では佐賀の持つ価値を最大限に活かし、その根源である、今も残る日本文化を確実に守るために必要なものは何なのだろう。

それは

  • まず、そもそも価値が価値であると分かること
  • その価値を経済的な流れに乗せること

ではないだろうか。そうすることで、経済活動がクイック・マネーのために安易に価値あるものを破壊してしまうことを、防ぐことができる。そして上記の2つを実現するのが、冒頭に書いた「よそ者」だろうと思う。

佐賀は実は

  • 福岡国際空港にも糸島と同等程度のアクセス
  • 佐賀空港も国際空港で、上海にLCC(春秋)が飛ぶ

という国際性がある場所だ。佐賀空港からは、最安で1,580円で上海まで行ける便を見たことがある!

これは国内外からお客さんが来れるという意味でも、地域の価値を再発見する「よそ者の目」を調達できるという意味でも、とても大きな意味を持つ。

外部から来た人びとがお金を落としてくれることで、地域が実は持っていた価値が地元の人の目にも見えるようになる。

外から訪れた人が再発見してくれた価値が、経済的価値として地元の人にも見えるようになったなら、そこで儲かったお金を地元の人は何に使いたいだろう?おそらくその価値を維持したり、深めたりすることに使うはずだ。

そんな風に佐賀の持つ価値が経済的流れと重なり、それを守るよう再投資がなされれば、先に書いた「社会-生態系」が守られてゆく。

佐賀の価値がお金を産んだと見えていること。それに地元の人が誇りを持ち、改めて大事に思うこと。可視化と金銭化の両方が必要なのだし、そういうことに有用なのが外からやって来るよそ者、旅人なのである。

■ミッシング・リンクを繋ぐ
ただ、佐賀にはよそ者たちの受け皿となる滞在場所が無い。外から訪れる人が少ないせいか、佐賀は安宿が極端に少ない。というか、ほぼない。自分も山内町のおうちにお世話になる前は、佐賀市内の漫喫で泊まっていた( ̄▽ ̄

ということは安く一軒家とか手に入れて、美しい山内でairbnbなんてしようものならはっきり言って旅人ひとり占めだ。

この美しい小道を歩きたい外人は絶対いっぱいいる

近代一色になる必要はなく、かといってその利便性をあきらめる必要もない。今の日本には今の日本なりの道があるのだし、それを実現できそうなのがこの佐賀のような土地なのだ。

お金を持ってる人は移住して、そこに日本家屋を建ててゲストハウスにしたら、需要ひとり占めなだけでなく、それこそもうプライスレスな価値があるんじゃないかな。

既に佐賀にある価値←(よそ者が滞在し、その価値を体験できる場)←よそ者を連れてくるトランスポーテーション←価値を発見するよそ者の目

という、佐賀の価値に繋がるチェーンがあるとして、この( )のところこそ、価値と人を繋ぐ上でのミッシング・リンクになっているのだと思う。

安宿は佐賀の価値がスパークする、そのためのミッシング・リンクを埋めるはずなのだ。それができればこの社会-生態系をビジネスが壊すことはなく、むしろビジネスが持続可能としてくれるはずだ。

そんな可能性をヒシヒシと感じた3日間であった。いやほんま誰か一緒に家を買わんか~!\(^o^)/←そんなんばっかり(笑)


関連リンク:

【エスエージーエー】茶の国・西佐賀に日本の原風景と未来を見た【SAGA】



スポンサーリンク


スポンサーリンク


0 件のコメント:

コメントを投稿