2016年5月15日日曜日

熊本から日本が反転する!



九州めぐり、長崎の後は大分に移動。かなり遠く、間には地震のあった熊本がある。

阿蘇の山、地震で崩れている?
そしてその熊本には自分が被災してるにも関わらず、地元農家を支援する活動を立ち上げた知り合いの農家さんがいる。これはどう考えても呼ばれておるのだろう、ということで1日ボランティアしてきました。手伝った活動はこれ↓

ヒノデ米プロジェクト
件の農家さんがハレルヤ熊本という支援団体を立ち上げ、このプロジェクトをやっている。今は田植えのシーズンなので、田植えをあきらめかけている農家さんを支援し、さらに希望があれば継続して販売まで支援するという。

自分が仰せつかったのはこのプロジェクトを知ってもらうためのチラシ配り。支援が必要な人が避難している避難所を周ってチラシを貼らせてもらった。

1日しか無く次の日は大分だったので町中の漫喫にでも泊まろうかと思ったが、帰り際に話を聞いていたら引き込まれ、詳しく聞きたくなって家に泊まらせてもらった(笑)

主宰さんの自宅は熊本駅から車で20分の桃源郷
そして期間限定のボランティア団体かと思っていたハレルヤ熊本は、実はもっと大きなスケールで動いていた!

■炊き出しは配給じゃない
とは言えハレルヤ熊本は当初避難所の炊き出しボランティアから始まった。自分も泊まったボランティアビレッジというところで食べさせてもらったが、炊き出しの定番はカレーと豚汁だ。

1回だけならとてもおいしい炊き出しカレー
しかしこの炊き出し、あまりにも同じカレーと豚汁ばかりが続くと、やはり定期的にもらう配給めいた雰囲気が漂ってくる。そこでハレルヤの炊き出しは6種類のカレーを用意した、という。

「人間もらうだけじゃなく、自分の好きなものを頭使って選ぶだけで全然違ってくる」

なるほどな、と思った。雰囲気が明るくなってきたのを見計らって、音楽イベントもやったらしい。それが聞いたらまた結構なビッグネームが来ていたのだが、

「え、そうなん?よう知らんかった」

オイ!!(笑)

■復興はボランティアじゃなく仕事だ
ボランティアビレッジではGWを過ぎてボランティアが激減したと聞いた。東北の震災と違って瓦礫は海が持っていってないので全部地上に残っている。人手がいる、とのことだった。

主宰さんにその話をしたら、「それも仕事にしたほうがいいと思うけどね」という。

配給めいた炊き出しもそうだが、ずっともらい続けているわけにもいかない。しかし最も酷い被害を受けた人びとは生活も仕事も基盤を破壊されてしまって、とても助けなしに何とかなる状態には思えない。

ひび割れ傾き潰れた家が続くエリアに行くとそれを実感する。壊れた建物が並ぶ光景は心を蝕む。俺でさえそうなので、自分の家がそうなった人の気持ちは如何ばかりかと思う。

「でもこの機会だからこそ繋がる縁がある。これを機にビジネスを作ってしまえばいい」

主宰さんは実は有機農家さん。有機の柑橘類をやりながら、地域を有機の里にしようとずっと活動している。なかなかオーガニックが広がらない中、この機会に手を差し伸べてくれた大手企業と熊本の有機農家をつなげて、熊本をオーガニックの中心地にしようと走り回っている。

「この水の綺麗な、農業が盛んな熊本で、復興すると言ったら農業が元気になるしかない」

「今、熊本の野菜は県内の需要が一気に落ち込んで余っている。外への販路が必要だし、それを開拓する大きなチャンスでもある。今この状況だからこそ県外の大手が手を差し伸べてくれてる」

熊本各地に散らばる有機農家は小さい規模のところも多く、大手が求めるロットを確保することができない。だからそれを集約するシステムをこの機会に作る。その集約も、集めた野菜の箱詰め・発送も必要になるが、

「それを被災者の人の仕事にしようかと思って。有機の地域を作る活動をしてたけど、今まで一緒にやってくれる人は移住者が多かったんだよね。この機会に地元の人らとも繋がれるし。それが大きな販路と繋がって、それ見てどんどん有機に転換する人も増えてってなったら国が変わるよ

実際いま集まってる地元の面々を見ると、優しくも前向きないい空気が漂っていて、新しい何かが息吹くのを感じる。

■何か起こるときには人が動いている
ボランティアが集まるには、人が集まれて仕事をディスパッチしてもらえる場が必要で、それは自然発生するわけではない。自分が泊めてもらったボランティアビレッジ設立にも、もちろん地元の有志が動いている。

熊本に芸能人が炊き出しに来た、みたいな記事をたまに見る。自発的に来た人もいるのかもしれないが、やはり裏で縁のある業界人が動いてそれをプロデュースしている。

激甚災害の指定は国が基準に従って淡々と決めているわけではない。裏で地元の政治家がいち早く、必死に動いてそれを認めさせている。

熊本地震が激甚災害に指定、被災地復興に弾み|データ・マックス NETIB-NEWShttp://www.data-max.co.jp/280425_dm1767-2/

そのへん、福岡の人に聞いたのだが「九州の人は決断が早い」という。「あんま考えん。あ、じゃあ(熊本)行こや。バス要るな?あそこ走っとるの半分出さしたらええやん」「西鉄はすぐOKやった」そうだ\(^o^)/

そうしていろんな緊急支援の枠組みができていく中で、並走して自立支援が立ち上がっていく。そこにもここに書いたような、動く人たちがいる。

直下に地震が来たエリアを離れ、熊本の中心部に来ると、何か日常がもう戻っているようにも見える。

人通りの戻った商店街
しかしエリアによって被害の程度はまったく違っていて、これはチラシを配っていて見たのとは対照的な光景だ。そこから立ち上がるには、やはり「自分の頭で考え」「仕事する」ことを取り戻さなければならない。

そしてそれはもっと大きな未来にも繋がり得る。主宰さんが震災以前から追いかけていた夢が、今ここで復興の糧になりつつある。プロジェクトは地元メディアも次々と取り上げていて、オール熊本で支援体制ができつつある。

とは言えそれはもちろん簡単なことではない。そもそも主宰さん自身が被災者なのだ。なのに日々動きまくっていて、久々に会ったら完全に頬がこけていた。

そんな主宰さんを見て思い浮かぶ歌。


”つらいときでも 笑ってられる そんなあんたは ほんまにアホや 
先のことなど考えないまま ペース配分さえ できないで走る”
現在このプロジェクトではついに熊本野菜の販売を始めた。気になる人は、FacebookでSon Mituyoshi Sonodaをフォローしてみてほしい。よかったら熊本のうまいオーガニック野菜、食ってみてください!^o^

スポンサーリンク


スポンサーリンク


0 件のコメント:

コメントを投稿