2016年5月20日金曜日

自然農を知ってほしいという思いが、徳島に耕す自然農園を作り上げた



たぶん今回の西日本探索、最後の地となる徳島の神山に来ています。

神山もまた風光明媚

そこのオサレなカフェレストラン、オニヴァに連れてってもらったところ、カフェで野菜を仕入れている自然農園が近くにあるとのこと。

この山の中に、このオサレな空間!

これは行くしか!ということで訪問してまいりました。

それがここ、若葉農園さん。神山の隣の石井町で、自然農法をもう20年やっているという!

きれいに並ぶ野菜

HPも見れば分かると思うんだけどここの野菜はとても立派!

自然農というと自給程度に食べるには十分で、だからできた作物はけっこう小さめ。哲学として、むしろ土地や虫や獣と収穫をシェアするくらいのイキオイでもある。

しかしここは無農薬かつ基本的に無施肥でこれだけの作物を作っていて、いったいどうやっているのかと思っていた。

ここの特徴は「耕すこと」。福岡・川口式の自然農などは不耕起のイメージがあるが、ここはそこにはこだわらない。

きれいに耕転されている

やはり耕すほうが野菜が大きくなりやすいらしい。しかし自然農的疑問としては、それだと土が乾いて有機物がなくなるので、肥料入れなきゃいけなくならない?というところ。

しかし、そこは灌水をきちんとしておけば土が痩せていったりはしないらしい。

地下水を灌水している

そして強い作物を育てるポイントその2。それは自家採種であるという。

オーガニック農家でも、収穫サイクルが長くなるので種だけは買ってくるというところは多い。しかしここでは全て自家採種にこだわっている。

きれいに咲いたニンジンの花

その土地の風土に作物が適応することで、ほぼ無施肥でもまるで慣行農法のような立派な野菜が穫れる。

お米も高知の原生種を使っているのだが、最初あまり良くなかった食味が、自家採種を繰り返す中、2~3年でおいしく変わったらしい。

不耕起にこだわらず、しかし自家採種にはこだわる。技術的にも、地域社会との関わりの中でも試行錯誤する中で、このスタイルになったという。

不耕起草生にこだわって、小さい作物でもいいから、どこか隔絶された場所でやるという手もあった。

「でも閉じこもってやってても、広まらんと世の中変わらんもんね」

ここでは研修生を10名ほど受け入れて、給料も住居も提供して研修している。そして研修上重視するのはここの技術をそのままなぞることではなく、育てる作物の状態が分かるようになること。

野菜のこの状態はいい、この状態だと悪い、それが分かることが一番大事である、という。

技術的なことだけ覚えても、他の地域で同じ方法でやれる保証はない。研修が終わり、自分の地域に戻ってもやれるためには、そこの風土や作物と対話できなければならない、と。

それもまた自然農があちこちに広がるために、という思いがある。

大切と信じることが世に広まる。それを何より再優先に考えたときに、農法にこだわるのではなく、地域と調和し、さらに営農に耐える作物を育てる技術を作り上げた。

経済的にも成り立つのを見ているから、勉強したい若い人も集まる。

向こうにいるのが研修生の皆さん

熊本の復興支援プロジェクトでもそうだったが、ビジネスにしてこそ持続でき、だからこそ少しずつ仲間が増え、世を塗り替えていくことができる。

自分も自然農を気軽に実践できる場を作りたいのは、そういうことだ。

特にアジアという場でやるのは、これから急激に変わっていく社会が、先進国の轍を踏むことなく、自分とこの自然や文化を大事に発展してくれたらな、と思うから。

そういうことにアジアの同胞である日本人が活躍できたら、それは日本人にとっても意味ある仕事をするチャンスじゃないか。

思いは同じだな、と思った。

土を清浄に保ち、風土と調和する農法が、こうしてあちこちで広まってゆく。また新たな自然農の形に出会えた1日でした。


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