2016年11月5日土曜日

独立志向で、学歴と仕事が無関係な日本人でも諦めるな!あの手この手で加算できるNZ永住権ポイント――これからNZ移民の話をしよう(3)



ニュージーランドの技能移民はNZに必要なSkillを持ってる人というのが大前提。そしてSkillを持ってるというのは学歴と一貫(Relevant)した職歴であることを意味する。ITはその典型です。

そのへんのことを前回書いたが、これは大学の勉強と就いた仕事がぜんぜん関係ない人には大きなハードルとなる。そういうことが特別ではない日本人はちょっと驚くであろう。そして頑張って仕事してきた人には精神的にも切ないものがあるであろう( ̄▽ ̄

とは言えそのせいで職歴が全然ポイントにならないかというと、そうでもない。一部条件次第でもらえるポイントもある。

NZの森で素敵女子と隠遁生活したい。。
またNZ現地で就職しているとそれも大きなポイントとなる。しかし独立してやっていきたい(自分のような)人にはもちろんもらえない。だから一旦就職して、永住権が取れたら辞めて独立するみたいな人もいる。めっちゃ大変なわけだが。。

独立してることにはメリットもあって、NZで仕事が無い=NZに住んでる必要がないということなので、逆に言えば申請料が無料になるオフショア申請が可能となる。25万くらいかかるのがタダになるので、特に収入が不安定な独立志向の人には、これは大きいよね。

ここではNZの移民ポイントについて、特に
  • 学歴と職歴が一貫しない
  • 現地で就職しない
という、ある種NZの技能移民制度が想定していないパターンの人でもゲットできるものについてまとめてみる。

まあ要するにわたくし自身の条件でイケるか考えてみたということです(笑)自分がIT業界出身なので、IT関連の情報多めです。就職しないのでうまくいけば申請費用は無料なわけだが、さて上記の条件でもポイントを積み上げることはできるのか?

■学歴がなくても職歴がSkilledと認められる場合
実は学歴と一貫しない場合でも、例外として職歴がポイントとして認められる場合がある。以下に記述があるがその条件とは、
Work experience
Another way you can get points for your work experience is if the work experience required, or helped you gain, specialist, technical, or management skills and experience. Those skills and experience must be relevant to an occupation that may be considered skilled employment.
「職務経験が必要なスキルを得させるようなものであり、かつSkilled Employmentと考えられる場合」である。

定義が曖昧なので、この方法でポイントを付けた人に話を聞いてみたいところだが、まだ見つかっていない。これでポイントを主張する場合、その証拠を示さねばならないので、どういうものが証拠となりうるか考えてみたい。

職務経験によって、大卒の学歴を持ってる人と同等の知識を持っている、と主張するわけなので、資格などは有効かもしれない。例えばプログラマの場合、ANZSCOの該当セクションに学歴についてこういう記述がある。
Most occupations in this unit group have a level of skill commensurate with a bachelor degree or higher qualification. At least five years of relevant experience and/or relevant vendor certification may substitute for the formal qualification. In some instances relevant experience and/or on-the-job training may be required in addition to the formal qualification (ANZSCO Skill Level 1).
Skilledな職業と認められるためには、関連する大卒かそれ以上の学歴が必要だが、最低5年の職務経験や、ベンダー資格で正式な学歴を代替できるかも、とある。

■資格や、キャリアを積んだ後の学歴を主張してみる
よってIT業界の人なら情報処理技術者資格や、CISCOMicrosoft あたりの資格があれば大卒資格の代わりになる可能性がある。それに5年の経験があれば、職歴がSkilledと見なされる可能性は結構高いのではないだろうか。

特にMicrosoftのような有名外資ベンダーだと有効だろうと思う。Microsoft資格だとMCSE認定はハードルが高いが、その分説得力はあるだろう。それを構成する個別の資格も悪くはない。

またANZSCOの記述は、まず正道としては大卒後の一貫した職歴が必要のようだが、例外規定の方は資格と職歴の順序を気にしていないようにも読める。なので職歴だけがあり資格が無い場合、資格を取るのもいいかもしれない。

Microsoft資格だと簡単なものにMTA(Microsoft Technology Associate、昔のMCA)というのがあり、プリセールスの資格なのでエンジニアならかなり簡単に取れるはずだ。MCAの時代は確か3つくらい取ればMCA Masterの称号がもらえたのだが、MTAも同じならお手軽でいいかもしれない。

さらに、キャリアを経た上で大学院に進む人もいると思うのだが、その学校が情報系であればそれも職務によってスキルを積んだ証明になるんではないか。

どんな資格がSkilledの証明になるか、公式な説明に書いていないのが悩ましいところだが、とにかく過去に取った資格はかき集めるのがいい。なお持っている資格がNZの学歴としてどれくらいのレベルとなるのかは、おそらくNZQAというNZの認定機関に書類を出して審査してもらうことになる。

■その他ボーナス・ポイント
NZで就職せず、オフショアで永住権を目指す場合、就職関連のポイントがもらえないのでギリギリになりがちだ。「非常に不足している職種」のボーナスポイントは10とか15とかだが、これがハードルを超えるかどうかの瀬戸際になることもある。

このボーナスポイントをもらうには何度も言うが、該当の職種の、互いに関連する学歴と職歴の両方がなければならない。

先に書いたように、職歴そのもののポイントが場合によって例外を認めるのと違い、このボーナスポイントはそういう例外を認めていないようだ。日本のIT系職種では、文系卒でSEというキャリアパスがけっこう普通なので、そういう人にはこの条件はキツい。

しかしITに関してはNZにおいて本当に重要な職種らしく、実はこれ以外の条件で認めてもらえることがある、という説がある。移民局のマニュアルを見る限りそういう記述はなく、本当かどうか分からないので、都市伝説かもしれないのだが(^_^;)

なお職歴関連のボーナスポイントは「将来有望な分野」というのもあるのだが、こちらはNZで就職してる場合のみの加算となる。よって就職しない前提では不可能だし、オフショア申請するのも実質的に不可能だろう。

■パートナーはいる?
永住権は、パートナーがいるとそれがポイントになる。結婚してなくても、つきあってるだけでもOKだ。

Points IndicatorでPartnerのセクションがそれにあたるが、パートナーの英語能力、学歴がどれくらいあるか、NZでSkilledな仕事を持ってるかといった条件に応じてポイントが加算される。

Skilledとは先に書いた通り、学歴と一貫した職種、もしくは5年の職務経験がある、もしくは関連の資格を持ってる上で関連の仕事をしている、ということになるのだろう。

またパートナーの英語能力が前提で、それが無いとポイントが付かないようだ。具体的にはIELTSスコア6.5相当。これはNZで仕事して生きてく上で支障ないレベルなのかということなので、母語が英語であればいらない。あと英語圏の仕事を1年やってるとかでもよかったのだが、最近ルールが厳しくなり、英語が母語でない人は一律IELTSスコアが必要となったという情報もある。

ただパートナーの証明は結構めんどくさく、日本で結婚した人が日本のお役所に婚姻の証明を出してもらっても不十分であるという。

つきあってるだけでもOKというのは、実質的な関係があるかどうかを重視しているということの裏返しでもある。役所の出す紙切れではなく、一緒に住んでることが分かる郵便物、共同の銀行口座、一緒に楽しそうに写っている写真、などなどが必要となるらしい。

また期間的にもそれなりに関係が続いていないと認められないという。確か1、2年だったはず。

もし今、大卒で、NZにSkilledな仕事を持っている、英語が話せるパートナーがいるなら、かなりラッキーだ。それだけで40ポイントを稼げてしまう。また仕事をしてなくても20ポイントになる。

■確認と次のステップ
そんなわけで冒頭に挙げた、学歴と職歴が一貫せず、現地で就職したくないような人でも、
  • 自分の過去のキャリアが5年以上あるか
  • それはSkilledと認められる職種か
  • 過去の取得資格
といったあたりを確認し、職歴関係のポイントを積めないか検討してみるとよい。

またパートナー関連もかなりのポイントになるので、1年以上続いたパートナーがいるなら、
  • パートナーの母語が英語でないなら、IELTSを受けてもらう
  • そして現地で、Skilledな職種で就職してもらう
といったあたりをお願い(笑)すれば、ポイントがズンと積み増せる。パートナーが就職できたなら、その人に永住権を取ってもらい、そのパートナーというカテゴリで自分の永住権を取るという手もある。

そんなこんなで、就職しない生き方でも獲得できるポイントというのはいろいろある。現地で勤めていなくていいので、うまくすればオフショアで申請して、申請費用を無料にできる可能性もある。

しかし上記を全部確認しても足りなければ、長期戦を覚悟せねばならない。長期と言っても1~2年だ。例えば学校に1年通うとか、パートナーがいない人は有職のNZ人のお相手をゲットして、1~2年経てばパートナーのポイントが積み増せる。

なのでとりあえず上記を確認、そしてダメなら学校探しや恋活を開始する、というのが次のステップになるだろうか。

そんなわけで次回は最終回!どうしてもポイントが足りない場合は長期戦で頑張るぞの巻!


関連リンク:
ニュージーランド永住権、最初の一歩を踏み出すための基礎知識――これからNZ移民の話をしよう(1)

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