聞くところによると、まずビニールで地面を覆うのを含め、溝を掘らないで土壌の深部にアプローチする方法はここ2年くらい色々と試されているという。
よってまだ始まったばかりで、どこまで一般化でき、どこまでカスタマイズが必要なのか含めこれからという感じらしい。
それだけに、これまで蓄積された知見と突き合わせ、いま何をどう試行しているのか考えることはとても重要だ。
ありがたいことに前回書いた内容につき、経験豊富な方々からいろいろな教えを受けることができた。
今回はそうした先人の知恵と現状の畑を対比しつつ、今後の展望を占いたい。
■「土壌は上からできる」
30年たんじゅん農法をやってこられた方に話を伺うことができたのだが、その方は従来の炭素材を地下に埋める方法には懐疑的で、「土壌は上からできる」と確信されていた。たんじゅん農法の伝道師のような人がいるのだが、その人も勉強会で「チップは深く入れず5〜10cmくらいまでに」と言っていたという。
であるならば、陽熱によるのか炭素材埋設によるのかは別として、土の表層からアプローチしていく新しい方法は理に適っているように思える。
また訪れた畑のあるバリは非常に日差しの強いところ。
冬に微生物が死滅しないので、セットアップはいつでも始められるし、セットアップしたらずっと維持するのかもしれない。
■日本との比較
ビニールシートを使う方法は、日本だとあまり変化がないこともあるという。陽熱を使う以上、やれるとしても日本では夏にしかできないようにも思える。日本では夏にセットアップが成功しても冬に微生物が死に絶えて、また次のシーズンにはやり直しになるのだろうか?
微生物を維持できない土地では何らかの年間サイクルを確立する必要があるのかもしれない。
逆に言うと南国ではその心配がなく、今バリでは南国固有のたんじゅん農法が生まれつつあるのかもしれない。
正直、ワクワクします^^
■籾殻は大丈夫?
訪れたバリの畑のやり方で、懸念されるのは籾殻。日本では「籾殻撒くと表面が白くなって地熱が上がらず育成が落ちるのと、分解が悪いので畑に適さない」ことがあるという。なので一度焼いて利用するらしい。
しかし地熱の問題は暑いバリではそこまで問題ではないかもしれない。また入れる量も関係しているはず。
また籾殻が入ることで好気性微生物が住み着く表面積が増えるのも、メリットであるはずだ。
■バリ畑での対策
白化現象はバリでもあるそうで、その前後にキノコが生えやすいという。なのでそうなりそうな感じがしたら籾殻を鋤き込む。すると、まずキノコは生えないし白化も起こらない。畑では撒いてから大抵1ヶ月以内に鋤き込んでいるそうだ。
また籾殻が多過ぎると未分解のものが白化しやすい。なので量のコントロールも重要で、籾殻は敷き詰めるというより、土がほぼ見えなくなる程度に撒くという感じ。
そういった対策の効果もあってか、表面が白くなる現象はバリでは確認されておらず、このままの状態で維持できるのであればバリでは問題にならない可能性もある。
また、そもそもビニールシートや塩を使うのはスタートダッシュのためで、スピードを追い求めないならそれすらいらず、籾殻だけでも可能であるらしい。
■畑はいまどんな感じ?
その後バリの畑は雑草の根にもビッシリ糸状菌が付き、さらにピークを越えて落ち着いた感じだという。1度爆発的に糸状菌が増えて、半分ぐらいに減った状態が最適と言われているので、これは順調に推移していることを意味している。
また畑にはオクラが植わっているのだが、そちらは一部虫食いが発生し、その後ほぼ終息に向かっている。
虫食いの場所を見ると、どの深さに腐敗があるかが良く分かる。
食べられた葉とそうでない葉にはっきりと分かれていて、先に食べられた葉は殆ど食べ尽くされているが、新しい葉は食べられていない。
先に出て食べられた葉は土の浅い場所と対応しており、新しい葉は根がさらに伸びた時点のものなので土の深い場所と対応している。
■畑との対話は続く
吸い上げた腐敗が1部の葉に吸収され、虫に食わせることで土を浄化している。なんというかナウシカの腐海のようだ。というかあれが自然をモデルにしてるのか。おそらくこの腐敗は畝作りの時に混入した取り残しの生雑草に由来しており、その下に腐敗は無いことが伺える。
そんなわけでいろいろお話を伺った結果、基本的な路線としては間違っていない感じがする。
籾殻の問題がバリでどう影響するのか、しないのかは今後の見極めが必要だが、とりあえずso far so good.
また経過が分かればレポートしようと思うので、刮目して待て!\(^o^)/
そしていろいろコメントくださった皆さん、ありがとうございましたm(_ _)m
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